2017/11/12
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薬は味方か、悪者か? |
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新潟市北区の女性鍼灸師コラットはりきゅう治療院の佐藤尚子です。 薬についてです。 私は医師ではありませんし、薬の処方もできませんから患者様にこの薬を飲んでくださいとは言えません。医師から処方されている薬を「飲むのをやめて下さい。」と言って強制的にやめさせることもありません。 ただ、ちょっとした風邪程度だったり、軽い頭痛や便秘や下痢なんかですぐにお薬飲まれてしまう方には「薬は対処療法で、症状を押さえているだけなのでできれば薬を飲まずに自然治癒力で治した方がいいですよ。」とは言います。 「自然治癒力を高めて生命力の強化」とか言っていますけれども、西洋医学完全否定ではありません。 西洋医学も使い方次第で味方になると思っております。 慢性的な重い病気なんかの場合、薬を飲んでもなかなか効かないことがあります。 だからといって素人判断で薬を飲むのを一切やめてしまう…。 あまりお勧めしません。 西洋医学の治療プラス鍼灸治療で自然治癒力を上げて、良い状態に持って行く。 様子を見て、大丈夫そうだったら段階的に少しずつお薬を減らされてみるとか(お薬4分の1減らしてみてしばらく様子をみて大丈夫だったら、半分にしてみるとか)極端なことはされないのがよろしいかとは思います。 私の母は私が幼いころからたくさん病気をして、手術もして、それこそ薬漬けで薬の副作用が強くて何日も床に伏していることが多い人でした。 新潟の病院ではダメで、東京の有名な病院で手術をしたこともあります。 その時医師の前で今飲んでいる薬を並べたんです。 そうしたら、「この薬意味ないっ。これも。これも意味なし。」って結局10種類位意味なしの薬があって愕然としました。 20種類位飲んでいる薬の半分は意味がなかったんです。 私はちまたの医師への不信感、西洋医学への不信感でいっぱいになりました。 薬は悪い物だってその時は思ったんです。 母はいろいろな痛みがある人なので、薬を毎日飲み続けています。 薬を飲んでも痛みがあって、寝込んでいる日も多かった記憶があります。 母は痛みの刺激に敏感なので、一般的な西洋医学的な局所治療をしている鍼灸治療院の治療は全く合わずに、とても嫌な思いをしたので鍼灸治療を一時止めていました。 その母がまた鍼灸治療を受け始めたのは、私が通っていた治療院を私が紹介したからでした。 その先生はとても腕が良い先生でした。母はたまに新潟に出て行っては治療を受けていたのですが私が鍼灸学校の学生時代に残念ながらその先生は亡くなってしまいました。 当初母は「私の病気は大変な病気だから。」と言って私にはまかせられないと言われました。 でも鍼灸治療を受けないと体調が悪くなるのでそのうちに「私の病気治しなさい。」と半ば脅されながら、私は母の治療をすることになりました。 するとだんだん線維筋痛症の母ですが体の調子が良くなってきました。 もちろん薬は医師が処方した通り必ず毎日飲んでいます。 繊維筋痛症の痛み自体は出ていないようなのですが、今は坐骨神経痛がとブーブー文句を垂れられております。 薬を飲んでいる状態で、鍼灸治療を取り入れて良くしていくというのは病気によっては良い選択になるかと思います。 病気といっても軽い病気から、難病まで様々な病気があります。 「薬は良くない。」と民間療法の方や、東洋医学に偏った方たちはおっしゃいますが必ずしもそうではないと思います。 むしろそういった偏った考え方のもとで、病気を悪化させてしまう人がいるのも事実です。 薬は不必要な物をたくさん飲めば毒になるばかりで良い事なんてありません。 ただし体にとって必要な状況、タイミングに応じて取り入れていけば薬は味方になります。 そもそも東洋医学では人体を小自然(小宇宙)と見ています。 大昔は環境も人間も科学的な物がない状態、本当に自然だったので今はすっかりいろいろな科学が発達し、森でさえも人の手が入っていない所なんてほとんどない位です。 小自然は、今や自然とはかけ離れた物に囲まれています。 環境汚染、食品も添加物まみれの物が多くなりました。 それでも科学の発達による恩恵というものは、はかり知れないほど多岐にわたり私達の生活を豊かにしてくれています。 薬を敵にするも、味方にするも使い方次第。 薬を良い物と思うか、悪い物と思うかは視点の違いでいくらでも変わる。 理想なのは「そういえば体調良くて、薬飲むのを忘れちゃった…。」に持っていける事。 西洋医学と東洋医学の良いとこ取りで、今より良い状況になることを考えたとき、違う世界が見えるかもしれませんね。 |
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